講義コード
授業番号
授業科目名部分床義歯補綴学
科目名(英題)
講義題目
授業科目区分
開講年度2013
開講学期後期 (口腔インプラント学の授業との交替のため、一部 木曜10:30 - 12:00)
曜日時限木3 木4
必修選択必修
単位数3.0
担当教員古谷野 潔
対象学部等歯学部
対象学年学部4年
開講地区病院地区
履修条件
授業概要 部分床義歯補綴学は講義と基礎実習、そして臨床実習からなる臨床歯学の科目であるが、ここでは講義および基礎実習について記載し、臨床実習については臨床実習シラバスに記載する。

部分床義歯補綴学講義
1.部分床義歯学総論
  部分無歯顎の状態が口腔や全身におよぼす影響および歯科医学における部分床義歯学の位置付けと歯科医療における部分床義歯補綴治療の重要性について学ぶ。また、部分無歯顎について、その解剖学的・生理学的特徴を整理し、障害された口腔諸機能や顔貌を回復する部分床義歯による治療の概略とその意義を理解する。[到達目標1~6]
2.部分床義歯の構成要素と機能的要件
  部分床義歯の重要な要素である支持、維持、把持および安定について理解するとともに、部分床義歯の構成要素である義歯床、維持装置、連結装置、人工歯等について、これらの形態的、機能的要件について理解する。[到達目標7~9]
3.部分無歯顎患者の診察・検査・診断・前処置・治療計画
  部分床義歯による治療にあたっては、診察・検査を行い、的確な診断に基づいて治療計画を立案し治療を開始する。その際、診察・検査により患者の主訴の基となっている問題点(プロブレム)を把握し、その問題点の解決策として治療計画を立案するという考え方を理解する。また、その際必要に応じて行われる歯冠形態や咬合平面の修正、歯内療法、歯周治療、歯槽骨整形などの前処置と治療の流れについて学び、包括的な歯科治療について理解する。[到達目標10~13]
4.部分床義歯の印象採得
  部分床義歯の印象採得にあたっては、残存歯と顎提粘膜の被圧変位量の違いに慎重に配慮すること、すなわち、残存歯の精密な解剖的印象と顎堤粘膜の機能印象の重要性について理解する。[到達目標14~19]
5.部分床義歯の咬合採得
  部分床義歯の咬合採得の理論的背景について理解し、さらに咬合採得の具体的術式について学ぶ。特に、少数歯欠損症例と咬合支持を失った多数歯欠損症例との咬合採得術式の違いについて理解する。[到達目標20~23]
6.部分床義歯の作製
  部分床義歯の具体的な作製方法、すなわち、咬合床の作製、支台装置(維持装置)の作製、人工歯排列、埋没、重合、研磨等について理解する。[到達目標24~31]
7.部分床義歯の装着、装着後の変化とその対応
  完成した部分床義歯を患者の口腔内に装着する際の具体的手順と、義歯の適合、審美性、下顎位、咬合関係、維持、発音、安定などの一連の確認項目について学ぶ。また、義歯の取り扱い方、夜間の取り外し、義歯および口腔内の清掃等の患者指導についても学ぶ。部分床義歯装着後の患者の口腔状態の経時的変化について理解する。すなわち、患者には残存歯や顎骨の変化のみならず、咀嚼、発音といった機能面での変化がみられ、場合によっては義歯の破損がみられる場合がある。ここでは、このような変化について学び、義歯の調整、粘膜調整、リライン、リベース、義歯修理などの対応法について学ぶ。[到達目標32~39]
8.部分床義歯の設計
  部分床義歯の静的および動的な安定や残存組織の保護などを図るための設計の理論を理解する。[到達目標40, 41]
9.チュートリアル
  部分床義歯補綴治療に関して問題解決型の学習を行う。すなわち、従来の知識を伝授する講義ではなく、与えられた課題を受講する学生が自ら考え、解決する過程を通して、今までの講義で得た知識を整理し、有機的な形で統合する。またその過程を通して、臨床医に求められる重要な能力であり、従来の講義では得ることが困難なclinical decision making (臨床的問題解決能力)について学ぶ。具体的には、小グループディスカッションを通じて、あらかじめ用意した症例の問題点(プロブレム)の抽出、原因の推定、その具体的解決方法と期待される結果などについて考え、治療計画を立案する。その結果をプレゼンテーション資料としてとりまとめ、発表し、ディスカッションする。[到達目標42~44]
10.欠損補綴治療の長期経過
  部分無歯顎における残存歯列の保護に配慮した補綴歯科治療の実際と長期経過症例を通し、欠損補綴治療の臨床的意義について学ぶ。[到達目標45]
11.補綴歯科領域に関連した解剖学
  補綴歯科領域に関連した解剖学的要素について学ぶ。[到達目標46]
12.オーバーデンチャーの意義
  オーバーデンチャーの特徴と臨床的意義について学ぶ。[到達目標47]

部分床義歯補綴学基礎実習
(詳細は部分床義歯補綴学模型実習帳:九州大学歯学部 インプラント・義歯補綴学に譲る)
部分床義歯補綴学基礎実習では部分床義歯の基礎的な臨床術式および技工術式を学習する。また、部分床義歯の設計に関する理解度を確認するために、部分床義歯の設計およびサベイングに関する実習試験を行う。[到達目標24、48~59]
全体の教育目標教育目的(講義・実習)
 部分床義歯補綴治療が部分無歯顎患者の顎口腔系の形態的、機能的、および審美的な回復、残存組織の保護、ならびにQoLの改善に有用であることを理解するために、診察・検査、診断、治療計画の立案、部分床義歯の作製、装着、装着後の管理および対処法に必要な理論を習得する。

一般目標(講義・実習)
 部分無歯顎の病態および特徴を理解した上で、部分無歯顎患者に対して部分床義歯補綴治療を行う際の診察、診断、プロブレムの把握、治療計画の立案、治療、患者指導、術後管理についての基本的な事項を習得し、患者が快適で健康な生活を営める部分無歯顎補綴の本質を理解する。
個別の学習目標授業計画にも併せて記載
1.部分無歯顎の状態が口腔や全身におよぼす影響を説明できる。
2.歯科医学における部分床義歯学の位置付けを説明できる。
3.歯科医療における部分床義歯補綴治療の重要性・意義を説明できる。
4.部分無歯顎の解剖学的・生理学的特徴を説明できる。
5.部分床義歯による口腔諸機能や顔貌の回復を説明できる。
6.部分床義歯補綴治療の臨床概略を説明できる。
7.部分床義歯の構成要素を列挙し、各構成要素の機能的要件を説明できる。
8.支台装置の種類を列挙し、各装置の特徴および適応を説明できる。
9.連結装置の種類を列挙し、各装置の特徴および適応を説明できる。
10.部分無歯顎患者の診察・検査項目を列挙し、説明できる。
11.部分無歯顎患者の問題点(プロブレム)リストの作成について説明できる。
12.部分床義歯補綴に必要な前処置を列挙し、説明できる。
13.問題点(プロブレム)リストに基づく治療計画の立案について説明できる。
14.部分床義歯補綴治療における概形印象を説明できる。
15.部分床義歯補綴治療における個人トレーの特徴と作製法を説明できる。
16.部分床義歯補綴治療における個人トレーを用いた辺縁形成と精密印象法を説明できる。
17.部分床義歯補綴治療における機能印象を列挙し、説明できる。
18.残存歯と顎提粘膜の被圧変位量の違いに配慮した印象採得の方法を説明できる。
19.ボクシング法による作業模型の作製方法について説明できる。
20.部分床義歯補綴治療における咬合床の特徴と作製法を説明できる。
21.欠損歯数、欠損部位、咬合支持の残存状態に応じた咬合採得の方法を列挙し、説明できる。
22.残存歯と顎提粘膜の被圧変位量の違いに配慮した咬合採得法を説明できる。
23.作業模型の平均値咬合器への装着方法を説明できる。
24.部分床義歯の具体的な作製手順を説明できる。
25.部分床義歯の支台装置の作製方法を説明できる。
26.部分床義歯(金属床義歯)のフレームワークの作製方法を説明できる。
27.部分床義歯の人工歯排列について説明できる。
28.部分床義歯の歯肉形成について説明できる。
29.蝋義歯試適の目的と意義について説明できる。
30.部分床義歯の埋没および重合法を説明できる。
31.部分床義歯の目的を列挙し、その手順を説明できる。
32.部分床義歯装着時の点検項目を列挙し、その手順を説明できる。
33.部分床義歯装着時の患者指導項目を列挙し、説明できる。
34.部分床義歯装着後のリコールの時期とリコール時のチェック項目を説明できる。
35.部分床義歯装着後の顎口腔における形態的・機能的変化を列挙し、説明できる。
36.部分床義歯装着後の義歯に生じる変化を列挙し、説明できる。
37.部分床義歯装着後の口腔内および義歯の変化への対応を列挙し、説明できる。
38.部分床義歯のリライン・リベースについて説明できる。
39.部分床義歯の修理方法を列挙し、説明できる。
40.部分床義歯の静的および動的な安定を向上させるための設計方法について説明できる。
41.残存組織の保護に配慮した部分床義歯の設計方法について説明できる。
42.提示された症例の問題点(プロブレム)を列挙し、説明できる。
43.提示された症例の問題点(プロブレム)の原因を説明できる。
44.提示された症例の問題点(プロブレム)の解決方法と期待される結果を説明できる。
45.部分無歯顎における残存歯列の保護に配慮した補綴歯科治療の実際と長期経過症例を通し、欠損補綴治療の臨床的意義について説明できる。
46.補綴歯科領域に関連した解剖学的要素を説明できる。
47.オーバーデンチャーの特徴と臨床的意義を説明できる。
48.基礎実習において作製する部分床義歯の構成要素を述べることができる。
49.部分床義歯の概形印象採得と研究用模型の作製ができる。
50.部分床義歯の個人トレーが作製できる。
51.部分床義歯の前処置(レストシート形成,ガイドプレーン形成)ができる。
52.部分床義歯の辺縁形成および精密印象採得ができる。
53.部分床義歯の作業模型が作製できる。
54.部分床義歯のサベイングができる。
55.部分床義歯の設計ができる。
56.技工指示書の記入ができる。
57.部分床義歯の咬合床作製ができる。
58.部分床義歯の咬合採得ができる。
59.部分床義歯(作業模型および対合模型)の咬合器装着ができる。
授業計画添付ファイル参照
キーワード
授業の進め方 講義については、講義ハンドアウトおよび推薦教科書に沿って授業を行うが、全項目を網羅することは難しいので、推薦教科書などを用いて自ら勉強するように心がける。また、予習と復習を必ず行い、授業中の質問などに答えられるようにしておくこと。なお、講義の開始前に小テストを実施するので、前回の講義内容について十分復習をしておくこと。
チュートリアルについては、学生をグループ分けし、各グループに症例を提示後、チューターの指導のもとプロブレムリストの作成および治療計画の立案を行い、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを行う。
 基礎実習については、実習内容の概説、デモンストレーションの後、各グループに分かれてライターの指導の下で、臨床操作および技工操作に関する実習を行う。
テキスト推薦教科書:
歯学生のパーシャルデンチャー 第5版:三谷春保ほか編 医歯薬出版
スタンダード部分床義歯学 第1版:藍 稔 編 学建書院
標準パーシャルデンチャー 医学書院
参考書推薦参考書:
パーシャルデンチャーテクニック 第4版:野首孝祠ほか編 医歯薬出版
歯科補綴学専門用語集 第3版:日本補綴歯科学会編 医歯薬出版
目で見る咬合の基礎知識.歯科技工別冊2002.医歯薬出版
学習相談学習相談などについては随時受け付けます。事前に連絡のうえ研究室(歯学研究院臨床研究棟2階)に直接訪れるか、以下のメールを利用して下さい。
古谷野教授   koyano@dent.kyushu-u.ac.jp
築山准教授   tsuki@dent.kyushu-u.ac.jp
鮎川 講師   ayukawa@dent.kyushu-u.ac.jp
熱田 助教   atyuta@dent.kyushu-u.ac.jp
森山 助教   kabay@dent.kyushu-u.ac.jp
試験/成績評価の方法等① 学期末試験点数による評価(60%)
 論述式および多肢選択問題からなる客観試験とする。
② 小テストの点数による評価(20%)
 講義開始前に前回の授業内容に関する多肢選択問題からなる客観試験を行う。
③ 実習点(実習試験を含む)による評価(20%)
 実習試験および所定の提出物を評価する。

①、②、③を合計し60点以上を合格とする。
部分床義歯補綴学の講義、実習において出席は厳格にとることとする。病気等でやむを得ず欠席する場合は診断書を提出すること。講義は補講を行わない。実習は公欠以外の理由での欠席に対しては補講(補実習)を実施しない。九州大学および九州大学歯学部の規則等に則り学期末試験については追試験と再試験は実施する。なお、再々試験は行わない。
その他古谷野 潔(電話:642-6376,メール:koyano@dent.kyushu-u.ac.jp)
築山 能大(電話:642-6441,メール:tsuki@dent.kyushu-u.ac.jp)
鮎川 保則(電話:642-6441,メール:ayukawa@dent.kyushu-u.ac.jp)
熱田 生 (電話:642-6441,メール:atyuta@dent.kyushu-u.ac.jp)
森山 泰子(電話:642-6441,メール:kabay@dent.kyushu-u.ac.jp)
添付ファイル
ファイル名(file_name)備考(remarks)更新日時(updated date)
部分床義歯補綴学(授業計画).pdf 2013-04-12 14:04:33