講義コード11881002
授業番号
授業科目名九大生よ、ビジネスを学ぼう
科目名(英題)
講義題目
授業科目区分人間性
開講年度2011
開講学期前期
曜日時限火1
必修選択
単位数2.0
担当教員松尾 正人(カリフォルニアオフィス)、姜 益俊(農学研究院)
対象学部等
対象学年修士1年 修士2年 博士1年 博士2年 博士3年
開講地区
履修条件
授業概要大学ではあまり会社やビジネスのことは教えないようだ。しかし90%の学生は会社に就職する。この講義はその隙間を埋めるものである。東京とシリコンバレーより多様な講師陣が会社の縦糸-研究、生産、市場開発、販売-とそれを支える横糸-人事、経理・財務、広報、総務など-、そしてそれを統括する経営の役割と考え方について経験を交えて論じて頂く。加えて起業の面白さおよびそれを支えるベンチャーキャピタルの見方まで学ぶ。少なくとも2回の授業はイノベーション・フォーラムと題して、あるテーマについての議論会を行う。
全体の教育目標会社に入る前に会社の組織や機能、ビジネスモデルの本質を把握するとともに、会社内での自分の位置づけができるようにする。会社に入っても自分の部署のことしか知らないでは成長はない。自分は何が得意かを早く見つけ、それに向けた勉強をすること、そしてそれが最も発揮できる部署を探す、など積極的に動くことの必要性を学ぶ。また会社内で新事業を起こすことの重要さを理解し、新しいことを始める楽しさを学ぶ。
個別の学習目標
授業計画履修説明・注意事項 講義回数15回

1.研究開発論、2回
2.生産管理とコストダウン、1回
3.マーケティングと販売、2回
4.企業論、1回
5.経理・財務論、1回
6.日米の会社とキャリアの考え方の違い、1回
7.人事とヒューマンリレーション/コミュニケーション、2回
8.広報の重要性、1回
9.ベンチャーキャピタルとは、1回
10.起業の面白さ、1回
11.イノベーションフォーラム、2回
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2011年前期遠隔授業講師スケジュールとシラバス
(講師の都合により変更することあり)

2011年度前期の遠隔授業に関して、設計者である松尾の願いは、学生の皆さんが少しでも会社やビジネスのことに関心を持ってくれるようになることです。それに加えて、この授業を終わった後、皆さんが下記の二つのことができるようになることを期待しています。
1.自分で考え、自分の意見を持てるようになること
2.何か新しいことができるようになること

すでに実行している方はすばらしいと思いますが、日本、特に福岡にいるとやはりぬるま湯にいるような感じではないかと思います。あまりものを考えなくてもこれまでは問題なく進展できました。しかし、世界は今大きく変化しているし、アジア諸国の若者の動きは著しいものがあります。その中で日本がどんな国になってゆくか、世界の中でどんなリーダーシップをとるようになるのか、日本が元気な国になれるのかは皆さん次第です。それに加えて、今回の東日本大震災は日本がこれまで築き上げてきたものをみな壊してしまった感があります。戦後の最大の危機に瀕しているといえます。皆さんの果たす役目はいっそう大きくなりました。

これから社会に出て、会社やいろいろな組織に入り、その中で力強く生きてゆくためには、自分の意見を持ち、自分で道を切り開いてゆく力が必要です。この授業に登場していただく講師は皆さん自分で自分の道を切り開いてきた方々です。そのためには、自分が何が得意か(好きか)を知っていなければならないし、それを実行する行動力をもっていなければなりません。各講師の話の中からそれを感じ取って、自分ならどうしたいかを考えてほしいと思います。皆さんにはそれぞれの分野でのリーダーになってほしいと思っています。

4月12日(火)CAより, 松尾正人、九州大学カリフォルニアオフィス所長、イントロ、研究開発論【講義資料】


【略歴】
九大工学部応用化学科卒、日本ゼオン入社、1969-71年米国ベル研究所(ニュージャージー)、1972―93年日本ゼオンアメリカ社(ニューヨーク)にて新規事業探索、1993-99年日本ゼオン本社(東京)に帰任、事業企画部長、1995年研究開発本部長、1999年米国カリフォルニアオフィスを開設、顧問として派遣される。2002年九州大学諮問委員、2004年九州大学カリフォルニア・オフィス所長。

http://www.kyushu-u.ac.jp/magazine/kyudai-koho/No_73/book73/index.html#page=17

【講義内容】

この授業の目的をお話し、参加いただく講師の紹介を行います。また、イノベーション・フォーラムのやり方についてもお話します。その後で研究開発の問題点につきお話をする予定です。ぜひご期待ください。

4月19日(火)CAより,西浦泰明、Deloitte Toucheパートナー、「ガラパゴス島脱出のすすめー就活の前にキャリアを真剣に考えよう!」、キャリア論【講義資料】


【略歴】
デロイトトウシュパートナー、北カリフォルニア日本企業サービス総括代表
1952年大阪生まれ、1974年名古屋大学経済学部経営学科卒業
1975年日本公認会計士第二次試験合格、監査法人トーマツ東京事務所入社
1981年米国公認会計士資格取得、1982年デロイトトウシュ会計事務所サンフランシスコに転勤、1985年ゴールデンゲイト大学MBA(税務)取得、1987年デロイトトウシュのパートナーに就任、著書:2001年かんき出版より「リテンションストラテジー」を出版

【講義内容】
「ガラパゴス島脱出のすすめ-就活の前にキャリアを真剣に考えよう!
今回の東北関東大震災の影響により、回復しかかっていた景気が悪化し、少なくともこの数年は日本経済はますます縮小してゆくことが予想されます。すでにリーマンショック以来、就職内定率は下落傾向が続き、雇用市場が冷え込んでいたところに震災の影響が追い討ちをかけた形になっています。日本の雇用を取り巻く環境はどうひいき目に見ても「超就職氷河期」に突入したといわざるを得ません。学校を出た若者が希望の職につけない現状は国家の将来に大きな影を落としています。若者に夢がない国には、国家の将来はありません。皆さんとしてはこの状況をどう捉え、どのように生きてゆけばよいのでしょうか?
この数年、日本企業のトップの発言には「海外売上高比率を50%超にしてゆきたい」という内容が多くなってきました。日本の固定的な人件費構造を避けてか続々と海外に生産拠点をシフトするメーカーなどのニュースも耳にします。ということは今後は全くの国内派で一生を貫くキャリアは非常に困難になってくるでしょう。「社内の公用語を英語にする」会社も出てきました。オリンパスのように外国人を社長に迎える会社も出てきています。いざというときの英会話の能力は十分ですか?上司から海外駐在の命令が下ったときの心構えはありますか?ますますグローバルな戦略を打ち出さざるを得なくなった日本企業に皆さんはグローバル人材として準備ができているのでしょうか?

この10年ほどで日本の「会社と個人の関係」に大きなパラダイムシフトが起こっています。戦後の日本の大企業の終身雇用的、年功序列的雇用慣行が温存されるなかで、景気後退下では、固定費としての人件費をも変動費化せざるを得ない必要性が生じました。そのぶつかり合いの中で、派遣切り、ワーキングプア、不法解雇等のさまざまな雇用問題が生じています。そしてそれに対する政府による近視眼的緊急雇用対策、会社側の経営理念・手法・制度の迷走等により、日本の雇用環境が大きく揺らいでいるのです。
今皆さんにとって重要なことは目先の現象にとらわれることなく、自分の人生をじっくり見据えることです。自分は人生で本当は何をしたいのか、日本の雇用の仕組みはどうなっていて、自分の人生の目的にどう応えてくれるのか? どんな職場が理想の職場なのか?皆さんと一緒に「会社と個人の関係」をじっくり考えてみたいと思います。

4月26日(火)東京より、松尾正弘、中央コンタクト株式会社専務取締役、「今企業が求めている人材とは」、人材論【講義資料】


【略歴】
1957年九大法学部を卒業、三省堂出版社営業部、ジョンソン株式会社常務取締役
ドレーク・ビーム・モリン株式会社副社長、ドコモAOL社長付、
ワーナーミュージック・ジャパン取締役人事本部長
大学卒業後大企業を狙わずたまたま転職した外資系企業で人事の専門家として活躍、定年退職後
ヘッドハンティングにより国内企業のみならず外資系数社で企業再建の業務を行ってきた。

各社で給与制度や業績評価制度の改革を進めモラールを高め、社員、管理職や役員など優秀な人材の採用などを通じて会社の発展に尽力、勤務した会社はいずれも業績を伸ばしている。一方人事以外に事業部長、広報室長としての経験も20年以上あり、営業が分かる人事として評価されてきた。定年17年後の現在も現役で活躍中。

現在株式会社中央コンタクト専務取締役

【講義内容】
「今企業が求めている人材とは」

人事の責任者として各社で長年採用に携わってきた講師が激変する経済状況の中で企業はどんな人材を求めているのか、その本質を解く。皆さんが働き盛りになる20年後に会社がどんなに変わっていくかを想定しその時に役に立つ人材とは何か、そのような人材になるには今から何をしたらいいかを皆さんと一緒に考えながら問題提起をする。

5月10日(火)東京より、井上隆久、トップエッジコンサルティングファーム社長、マーケティング論その1 【講義資料】


【略歴】
花王 (1983~1989年) エリア・ブランド・マネージャー、新製品開発マネージャー(米国);
ユニリーバ (1990~1993年) ブランド・マネージャー、マーケティング・マネージャー;
ブリストルマイヤーズスクイブ (1993~2000年) マーケティング本部長、シニア・マーケティング・ディレクター(米国);
ボシュロム・ジャパン (2000年~2009年) マーケティング本部長、常務取締役、代表取締役社長

井上さんは大阪外語大を出て、外交官になるつもりだったのを方向転換して、花王に入社しました。そこでスキンケア商品を販売しましたが、マーケティングのポイントを学んで大きく業績を伸ばしました。5年後にアメリカ駐在となり、また違った経験をしましたが、その後リバー社へと転職しヘアケアブランド、さらにブリストルマイヤーズ社に転職しスキンケア製品と一般大衆薬、そしてボッシュロム社に転職しコンタクトレンズや眼科用医療機器の事業に携わりました。最後のボッシュロム社では社長まで昇進しています。その後は自分のコンサルタント会社を興して経営・マーケティング戦略の指導に当たっておられます。

井上さんの優れているところは何度も転職をしたのですが、それぞれの会社で優れた業績を残していることです。この授業では、なぜ何度も転職をしたのか、転職することで何を得たのか、転職先でどうやって業績を伸ばすことができたのか、などについてお話しいただきたいと思います。その中で井上さんが身に付けたマーケティングの真髄についてお考えを披歴していただく予定です。


5月17日(火)箱崎より、田中仁、株式会社JIN社長、起業論


【略歴】
1963年群馬県生まれ、1981年前橋信用金庫(現 しののめ信用金庫)入庫。1988年有限会社ジェイアイエヌを設立(1991年株式会社に改組)代表取締役社長に就任(現任)、2001年アイウエアブランド「JINS(ジンズ)」をスタート。2006年8月大証ヘラクレス市場(現ジャスダック)に上場。オダギリジョーを起用したテレビCMなどが話題。現在、国内約100店舗。超軽量メガネ『Air frame』にて2010年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経MJ賞を受賞。また自身も、また自身も、アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・JAPAN大賞を受賞し、2011年、モナコで開催される世界大会「World Entrepreneur Of The Year2011」の日本代表として出場。第36回 経済界大賞ベンチャー経営者賞なども受賞している。
事業を経営していた父親の影響を受け、学生のころから起業を志し、1987年、24歳の時に服飾雑貨製造卸業のジンプロダクツを創業。2000年、韓国で格安メガネ業態に出会いビジネスチャンスを直感。閉鎖的な日本の眼鏡市場をアパレル的なアプローチでリメークしたいとの想いで、2001年アイウエアビジネスに参入。低価格とファッション性を備えたSPA型企業として高い成長を続ける。2009年事業価値を再定義し、視力矯正以外の機能商品開発に着手。眼鏡業界にイノベーションを起こし、業界全体の活性化-「市場一兆円構想」-を志す。

会社の沿革と事業の変遷
1988年7月群馬県前橋市に資本金5,000千円にて、服飾雑貨製造卸を目的とする有限会社ジェイアイエヌを設立
1991年7月 有限会社ジェイアイエヌを株式会社に改組。資本金を10,000千円に増資
2001年4月アイウエアブランド「ジンズ」をスタートする
2001年8月アイウエア企画販売会社として、群馬県前橋市に資本金10,000千円にて株式会社ジンズを設立
2004年4月株式会社ジンズを合併し、アイウエア事業を統合。資本金76,500千円とする
2006年8月大証ヘラクレス市場(現ジャスダック)に上場。公募増資により、資本金518,500千円となる
2008年8月本社機能を港区北青山に移転統合し、東京本社とする
2009年5月レンズの追加料金無料の画期的価格体系「NEWオールインワンプライス」を導入
2009年9月アイウエアブランド「JIN'S GLOBAL STANDARD」を「JINS」に刷新、看板商品「Air frame (R)」(エア・フレーム)を開発・発売
2010年9月 JINS長期ビジョン「市場一兆円構想」を発表。第二の看板商品「Titan frame (R)」を開発・発売
2010年11月 中国への進出を企図し、「吉姿(瀋陽)商貿有限公司」を資本金60万米ドルにて、遼寧省瀋陽市に独資にて設立

事業概要
・SPA方式を導入し、企画・生産・流通・販売までを一貫して行い、低価格・高機能な商品を展開。
低価格・高回転・高粗利率のビジネスモデルを構築。
・眼鏡業界特有のオプション料金追加による不透明な料金形態を一切廃止。
「薄型非球面レンズ」を標準搭載した一式価格で4,990円~9,990円と市場最低価格を実現。
・日本人の顔のサイズを分析・研究し、全ての商品を日本人の頭に最も適したフレームを開発。
・「Air frameR」は、「TR-90」という医療器具にも使用されるナイロン樹脂素材をフレーム部分に使用し、軽量・安全性・弾力性・復元力に優れており、疲れにくく絶妙な掛け心地を実現。
・店舗オペレーションの効率化実現に向けて、小規模店舗の展開やスタッフの労力軽減となる什器を独自開発。
お客様・スタッフの動線を緻密に計算し、販売力・集客力のある高効率化店舗を構築。
・今期は視力補正用具としてだけでない新たな価値を見出し「あらゆる日本人の目を守る」新たな戦略で、業界1位を目指す。

My Entrepreneurship
起業理念、事業の展望
"私にとっての起業とは「想いを実現させること」と捉えています。
しかし、その想いには、志があるのか、ビジョンはあるのか、信念はあるのか、と考えた時、誰もが賛同できるようなものでなければ持続的な成功をしないのではないか、と思っています。
私の現在の想いは、メガネに新しい付加価値を付け、人々のライフスタイルを向上させ、世の中に役立つ会社になることです。そして、縮小している日本のメガネ市場を現在の4000億円から1兆円に拡大するという構想を発表しました。
情報化社会の進化、紫外線の影響など、メガネで解決できることや可能性は、まだまだ山ほどあります。
我々のビジネスを拡大することで社会に役立てるような会社を目指していきたいと考えます。

5月24日(火)東京より、井上隆久、トップエッジコンサルティングファーム社長、マーケティング論、その2【講義資料】


当日松尾は東京オフィスより授業を進めます。
その夜はもし横浜市大の皆さんが集まっていただけるなら空けておきます。


5月31日(火)CAより, 西浦泰明、Deloitte Toucheパートナー、「理系学生でもわかる会計・財務の基礎知識―資本主義の原点がわかる!」、会計・財務論【講義資料】


【講義内容】
「理系学生でもわかる会計・財務の基礎知識―資本主義の原点がわかる!」
日本には昔から「お金の話をするのはタブーである」かのような風潮があります。理系技術者の皆さんはお金の世界すなわち経済とか財務は自分には関係のない世界だとお考えかもしれません。しかし、理科系であろうが文科系であろうが、世の中に出てどんな仕事をしてもすべての経済活動はお金に換算されます。皆さんの日々の努力は財務報告という形で数値化されるのです。自分の努力の結果が読めない(フィナンシャルリテラシーがない)と言うことは、すなわち「私はお金は要りません!」と言っていることに等しいといっても過言ではありません。どんなに素晴らしい技術を開発しても、それにいくらの経済価値があるのかわからなければ安くたたかれてしまい、取引相手にうまく利用されるのがオチでしょう。日本人が交渉下手だと言われるのも、この財務・金融読解力(フィナンシャルリテラシー)が不足していることがひとつの原因だと私は考えています。
私のクラスでは、ビジネスとは何か?企業経営にかかわる財務データにはどんなものがあるのか?キャッシュフローとは何か?、企業価値とは何か、またどう計算するのか?コーポレートファイナンスの基本的考え方等についてわかりやすく解説します。基本的なフィナンシャルリテラシーを身に着けて、経済社会の分析力を高めましょう!


6月7日(月)CAより,.菅谷常三郎、JAFCO America社長、ベンチャーキャピタル論【講義資料】


【略歴】
1987年防衛大学卒業。日本モトローラ入社。Radio Communication Design Centerにて移動体無線機のR&Dに従事。ソフトウェア開発部門長。1999年に(株)ジャフコ入社。グローバス投資グループ・インベストメントオフィサー、ビジネスデベロップメント部長を経て、2003年ジャフコ・アメリカに最高経営責任者兼社長として赴任。米国フンァドのゼネラル・パートナー(無限責任組合員)としてシリコンバレーでのベンチャー投資に従事、現在に至る。

【講義内容】
米国では、国家の競争力はイノベーションを生み出す力に等しいと言われています。これは、1985年のヤングレポート、2004年のパルミサーノ・ノートでも一貫している思想で、最近ではオバマ大統領が米国イノーベーション戦略を掲げています。この国家として一貫して取り組んできた「国家としてイノーベーションを永続的に生み出していく仕組み」が米国の国際競争力の源泉の一つであるといっても過言ではありません。米国におけるこの仕組みの中で重要な役割を果たしているものがベンチャーキャピタルです。米国で生まれたベンチャーキャピタルの発生から現在までの歴史を振り返り、何故、米国ではインテル、アップル、マイクロソフト、シスコ、グーグル、フェイスブックといった世界を席巻するような企業がどんどん生まれてくるのか理由を探るとともに、起業家やベンチャーキャピタリストは、何を考えながら世界一になるビジネスを作っていくかを紹介しながら、今後のキャリアパスの構築に役立てるようにしたいと思います。

6月14日(火)CAより、松尾正人、九州大学カリフォルニアオフィス所長、イノベーションフォーラム


イノベーション・フォーラムはテーマを決めて議論する会です。まだ講師も十分経験を積んでいないのでうまくは出来ませんが、単に講義を受けてレポートを書くという授業の殻を破り、答えのない、あるいは答えは一つではない問題について何か解決策を考えようという企画です。今回は、最近の未曾有の東北関東大震災の関連で、「日本に原子力発電は必要か」というテーマで皆さんの意見を発表していただく。第1日目の6月14日はいくつかの課題を与えて皆さんに調査をしていただき、それを発表していただく。

調査課題
1. 原子力発電とはどんな技術か、日本にはどんなタイプがあるか
原発には軽水炉型とプルサーマル型がある。日本ではその両方が導入されているがどう違うのか。それを技術、過去の経験量、安全性の度合い、使用済み燃料の安全性、などの問題から比較解説すること。

2. 原子力発電は世界でどれだけ使われているか。国別の発電総量の中の%。
世界ではフランスがいちばん多く使っていると聞く。世界の国では国内の発電量の何%位を原発に依存しているのか。世界の国の原発利用度と使われている原発のタイプを調べること。

3. 原子力発電が終わった核燃料の保存と処理はどのように行われているか、何が問題か
使用済み核燃料はなぜ冷やさねばならないのか、どのくらいの期間冷やさねばならないのか、冷やすことが出来なくなったらどんなことが起こりうるか、につきわかりやすく解説すること。

4. 原子力発電を使わない場合、太陽を使う発電とはどんなものか、どんな問題があるか
代替エネルギーには風力、水力、地熱、海洋、バイオ、などの方法があるが、みな発電量が限られている。太陽発電のソース(太陽エネルギー)は無限といってよいくらい多いのでこれを利用することが将来の一番合理的なエネルギー解決法であろう。太陽発電にはどんなタイプのものがあるか、人類として利用するにはそれぞれにつきどんな問題があるか。

以上につき、各グループ10分以内でまとめ発表すること。目的は各テーマにつきほかの学生によく知らせることである。
<グループの作り方>
初めての試みなので多少の混乱はあると思うがやって見よう。まずボランティアのリーダーを募集する。各リーダーは自分の調査発表したいテーマを申告する。決まったら、各リーダーは自分がコンタクトしやすい仲間を集め調査を分担して行う。発表はリーダーがまとめて行う。リーダーは箱崎2人、伊都2人、横浜市大2人とする。リーダーの決定は第3回目授業の終わり10分間で行う。
そのためには事前に紙を配っておきリーダーになりたい人はそこに記入して立候補する。
<グループ決定>
下記のとおりグループが結成されたことをお知らせします。
テーマ1.原子力発電とはどんな技術か
1-A.[発表資料] リーダー木村俊介、横浜市大国際総合科学部 B2
    池田麻美(国際総合科学部ヨコハマ起業戦略コース所属)
1-B.[発表資料] リーダー中村麻莉、九州大学21世紀プログラム、B3
    工学部地球環境学科 B3 小川智比古
    経済学部 B2 菅沼格
    工学部エネルギー学科 B3 楠田将士
    工学部物質工学科 B3 落合渉梧
テーマ2.原子力は世界でどのように使われているか
2-A.[発表資料] リーダー満井頌城(しょうき)、九州大学人文科学府 ,M1
    数理学府M1・石崎翔
    生物資源環境科学府 M1 波多江芙美子
    生物資源環境科学府 M1 増野希陸(キロク)
    生物資源環境科学府 M1 劉叡達
2-B.[発表資料] リーダー川口雅弘、九州大学経済学部営学科 ,B3
    農学部 B4 田原彰子
    経済学部 坂口達郎
テーマ3.使用済み核燃料の保存と処理
3-A.[発表資料]リーダー武田知弥、九州大学工学府エネルギー量子工学専攻 M1
    工学府 D1 石黒仁規
    工学部 B4 平田裕貴
    工学部 B3 野田和正
テーマ4.太陽発電とはどんなものか
4-A.[発表資料] リーダー倉岡槙之介、九州大学経済学部経済工学科 B3
4-B.[発表資料] リーダー浜田優里、横浜市大国際総合科学部 B3


6月21日(火)東京より、宮本正文、ゼオン化成(株)会長、「製造業における生産管理」、生産管理論【講義資料】


【略歴】
1949年;福岡県生まれ、1967年;大分県立中津南高校卒業
1974年;九大大学院工学研究課化学機械工学終了、日本ゼオン(株)に入社
2002年;日本ゼオン(株)取締役に就任、2004年;日本ゼオン(株)常務取締役に就任
2009年;日本ゼオン(株)退任、顧問に就任、現在ゼオン化成(株)会長

九大化学機械卒業後日本ゼオン(株)に入社、製造課長、工場長、生産技術研究所長、事業部長、人事・総務・企画部長など歴任。今回は水島工場長時代の経験をもとに「製造業における生産管理」についてお話ししたい。


6月28日(火)福岡より、松尾正弘、株式会社中央コンタクト専務取締役、「組織における実践的コミュニケーション」【講義資料】


「組織における実践的コミュニケーション」
講師が就職する時に何を考えたか、その後ビジネス社会をどう生きてきたのか、自分のやりたい仕事をするためにどのように考え行動をすればいいのかを説明する。企業特に外資系企業には能力が高い人は多いがコミュニケーションに優れた人は少ないという現状を踏まえていかにビジネス社会においてコミュニケーションが大切かを具体的実践的に解説する。


7月5日(火)CAより,イノベーションフォーラム【講義資料】


6月14日に原子力発電のサイエンスと問題点と代替エネルギーである太陽を使う発電のサイエンスと問題点を学んだが、ここでは皆さんに以下の2つの中から自分の意見を表明してもらう。その理由も述べる。

1. 原子力発電を一層改良してより安全なものに仕上げ、石油・石炭がなくなっても主たるエネルギー源として長期に使う方向で考える

2. 原子力発電はどうやっても放射能の危険を完全に抑えることができないと思うからやめる方向として、
太陽発電などの代替エネルギーを早急に開発する。この際不便であっても自分が使うエネルギー消費レベルを減らすこともやむを得ない

 当日は原発反対の意見が多いことを推定しており、Debateを活発にするため、聴講学生の中にいる横浜市大英語部Debate Sectionチーフの池田佳奈さんにあえて原発賛成の意見を述べてもらい、対等な議論を交わしていただくこととしたい。原発賛成の学生は遠慮は要らないので佳奈さんに加わって堂々と主張してください。どちらがよいとか悪いとかではなく、正確に事情を把握して、その中から自分の意見を構築する経験をしてほしいと思います。

7月12日(火)CAより,米田達郎、バレーナテクノロジー副社長、企業論【講義資料】


【略歴】
東京大学工学系大学院修了。専攻はエネルギー工学。オイルメジャーExxon社(現ExxonMobil社)の日本法人エッソ石油で原油輸入ならびに原油調達最適化プロジェクトに従事。その後、戦略コンサルタントとしてAndersen Consulting(現Accenture)で、顧客サービス領域での新規ビジネス立ち上げプロジェクトを担当。カリフォルニア大学バーレクー校への留学を経て、バレーナテクノロジーズ社創設メンバーとして米国にて起業。現在は、福岡工業大学カリフォルニア事務所所長として大学経営アドバイザーを請け負う傍ら、米国の環境システム会社副社長、スペインの不動産投資会社顧問、東京の包装企業監査役として、精力的に活動を続けている。

【講義内容】
突然ですが、皆さんにとって、皆さんの人生をかけた夢は何ですか?

私は、大学院修了後、純利益世界一を誇るスーパーメジャーに入社しました。その後、日本企業をクライアントとした戦略コンサルティング会社に転職し、米国留学を経て起業して現在に至っています。大学生だった当時の自分が、想像もしていなかったキャリアを、結果的には歩んでいます。

今回の講義では、グローバルな大企業と日本の中小企業での実務経験を元に、規模が異なる会社での経験が、私自身のキャリアや思考パターンにどのような影響を与えてきたか、皆さんにお話したいと思います。さらに、就職と起業というキャリアスタイルの違いから見えてくる、会社と自分の立ち位置について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。皆さんの夢の実現を心から応援したいと思います。議論できる日が楽しみです。


7月19日(火)東京より、山見博康、山見インテグレーター株式会社代表取締役、広報論【講義資料】


【略歴】
1945年福岡県飯塚市生れ。福岡県立嘉穂高等学校卒業後、1968年九州大学経済学部卒業、(株)神戸製鋼所に入社、人事部、鉄鋼販売部及び輸出部、カタール製鉄建設プロジェクトに従事しドーハ駐在を経て、1979年から一貫して広報に携わる。1985年より日豪政府協力事業褐炭液化プロジェクトに従事しメルボルン駐在、日豪マスコミに対応。1991年広報部長、1994年ドイツ・デュッセルドルフ事務所長を経て、スーパーカー商業化プロジェクトや経営コンサルティング会社に出向後、2002年独立し現在に至る。日本大学・名古屋文理大学・大妻マネジメントアカデミー講師。

【講義内容】:
企業危機の対応方法をレビューしつつ、広報の本質とその重要性を“論理的に”理解していただきます。そのキーワードは「情報」。社内外の情報交通を司ることが会社経営です。その為には社員一人一人が、経営における広報の意義及び知名度向上・良好なイメージ確立に対する真の効果・効力を正しく認識することが大切なのです。加えて、社内でのニュースネタの見つけ方・まとめ方及びマスメディアやネットメディアを利用した対外的な発信の仕方などを具体的に解説致します。

参考図書:▽『この1冊ですべてわかる広報・PRの基本』
(山見博康著、日本実業出版社2009年)
▽『新聞・テレビ・雑誌・ウェブに取り上げられるPRネタの作り方』
(山見博康著、日本能率協会マネジメントセンター2010年)』
▽『はじめての企業PR100問100答』(山見博康著、明日香出版社2010年)』

7月26日(火)CAより, 松尾正人、九州大学カリフォルニアオフィス所長、まとめ、研究開発論【講義資料】



キーワード会社の機能、ビジネス、イノベーション、コミュニケーション、マーケティング
授業の進め方15回のオムニバス講義である。
テキストそのつど紹介する
参考書
学習相談常時メールにて受け付ける
試験/成績評価の方法等出席・レポート50%、質問・議論50%
2/3以上の出席が必要。
レポート提出フォーム
その他全学教育・課題科目II(人間と社会)「会社とは何か,起業するとは何かを学ぼう」との連携科目
九大(CAオフィス、箱崎、伊都、筑紫、大橋地区)と横浜市大にて開講

【遠隔講義】
(主)カリフォルニア オフィス
(副)箱崎理系地区21世紀交流プラザⅡ第2講義室
  伊都地区センター1号館1308教室
  大橋地区5号館525号室
  筑紫地区総合理工学府E棟1階101講義室

【担当教員連絡先】
 姜 益俊 kangnew@agr.kyushu-u.ac.jp / 092-642-7607